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メンヘラ女子高生のゆるゆるブログ。

「本当は怖い家庭の医学」~2月23日の放送より~

  

1.前書き

昨日の「本当は怖い家庭の医学」の放送で、精神疾患に関して言及された。しかも番組冒頭、約40分もの時間にわたってだ。

 

私はTwitterで「メンヘラは見ろ!!」とツイートし、フォロワーさんの多くが実際に番組を見てくれたり、RTで番組の存在を広めてくださった。感謝を申し上げたい。

 

しかし、番組を見逃した方や途中から観た方も多いようだ。また、番組の内容は精神疾患患者だけでなく健常者にも知ってほしいものだったし、また多くの人に知ってもらいたいものでもある。

 

そこで私は「本当は怖い家庭の医学」の精神疾患の章で扱われた内容について、簡潔にまとめてみようと思う。

できるだけ客観的な記述を心がけるが、私見や補充も区別した上で少し入れていきたい。

 

2.番組内容

a.初めに

現代の生活には色んなストレスがあり、そのストレスにかかった際に不安、不眠、うつなどの症状が出る可能性は全員にあると言ってもいいものである。

事実、精神疾患の患者数は平成8年は約189万人だったが、平成26年には約318万人、というように、18年間で約129万人増加している。

 

現代、仕事や介護の急増などでストレスは増加傾向にあり、また悩みやストレスを一人で抱え込んだり、自分でも自覚できないまま病が進行しているケースも多い。

そのため、家族や友人などの周りの人が異変に気づき早期発見することが精神疾患の重篤化を防ぐ第一歩となる。

 

その中で特に周りの人に気をつけてほしい病を患者数の増加数が多いものから3つ紹介していきたい。

 

b.強迫性障害

患者数は3万3000人。

防犯や火事の心配から戸締りや火の元を何度も確認したり、自分の手が不潔に思えて長時間しつこく手を洗い続けなど、自分でもやりすぎだと思いながら強迫観念を消せず、その行動を繰り返す精神疾患である。

*1

生活に支障をきたすかどうかをチェックしたい。

 

治療法は「確認を我慢しても悪いことは起きない」という経験をさせる心理療法*2が主である。

 

c.社会恐怖症 

患者数は3万4000人。

人前で緊張ですることで、赤面し声が出なくなったり、手の震えや冷や汗をかく、頭が真っ白になるなど、人前で「恥をかくのでは…」という心配や恐怖から強い苦痛を感じる精神疾患である。

自律神経の働きが乱れ様々な症状がおこると考えられている。

人に対して恐怖を感じていたり、人前に出るのを避けるようになったかをチェックしたい。

 

治療法は恐怖感を抑える薬*3を服用することで、治療には時間がかかる。

 

d.うつ病

患者数は72万9000人。

憂鬱な気分で一日中落ち込む、身体が怠く何もする気が起きないなど、無気力な状態が2週間以上続く精神疾患である。

 

原因は人間関係などの精神的ストレスや過労による肉体的ストレスと考えられている。

感情の高揚や気分の落ち込みなどの気分は、脳内の神経伝達物質がバランスをコントロールして起こるものだが、強いストレスが続くと、脳内の神経伝達物質が減り、気分の落ち込みにつながる*4

 

治療法は抗うつ剤*5などの薬の服用である。

 

実はうつ病は、生涯有病率(人生で病気にかかる割合)が、男性が10人に1人、女性が5人に1人と言われるほど患者数の多い精神疾患

 

しかし、実はうつ病に見えるがうつ病ではない「別の病」が隠れていることがあるのだ。しかもその病は、周りの人が本人の行動の変化に気づけないと、発見できないまま重症化することもある。

 

e.双極性障害(躁うつ病

患者数は約22万人。100人に1~2人が発症すると考えられている。

名前からも明らかであるように、気分が高揚する躁の状態(仕事に積極的に取り組む、いらいらしがちになる、浪費する、傲慢になるなど)と気分が落ち込むうつ病のような状態が交互に現れる精神疾患である。

 

原因は詳しくわかっていないが、脳内の神経伝達物質のバランスの乱れが原因と考えられている。

うつ病の場合、脳内の神経伝達物質が少なくなり気分の落ち込みが生じる(*1)が、双極性障害の場合は脳内の神経伝達物質が減ったり急激に増加することで躁状態うつ状態を繰り返す(*2)と考えられている。


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発症のきっかけとして、睡眠不足やストレス(結婚、昇進、出産などの喜ばしい出来事も)が挙げられている。

 

治療法は気分安定化薬(うつ状態躁状態の気分の波を平らにする薬)などの服用である。

 

★.なぜ注意が必要か

双極性障害の躁の期間は鬱の期間より大変短く(個人差はあるが1年で数日~数週間)、うつ状態は4ヶ月以上と長いためうつ病と間違えやすい。

また周りの人は躁状態を「うつ病が治ってきたのか」と好意的にとらえ、別の病によるものと気づかないことが多く、発見が遅れがちである。

 

さらに、うつ病双極性障害は治療のために服用する薬剤が大きく異なるのである。

双極性障害うつ病と診断され抗うつ薬を飲み続けると、脳内の神経伝達物質が過量になり、気分が上がりすぎて躁状態を起こす。しかも気分の波の落差が拡大することでうつ状態が悪化し、抗うつ薬が増え、躁状態の悪化…という悪循環に陥ることもあるのだ。

悪化した結果、自分が偉い・正しいという傲慢な態度をとり人間関係の破壊につながることも珍しくはない。

 

実は、うつ病と診断された患者の約10人に1人がのちに双極性障害と診断されている。

双極性障害の診断には約10年かかるとも言われている*6

その間正しい診断が下りず、長い時間の間苦しむ患者が多いのだ。

 

周りの人が双極性障害(躁状態)を見分けるポイントは、

1.睡眠時間が2、3時間の状態が数日続いても元気

2.元気を通り越し、人の迷惑を顧みないほど積極的になる 

3.些細なことでイライラし、常に「自分が偉くて正しい」という態度をとる

という状況が認められることだ。

 

3.終わりに

私は今回、必要だろうと思った部分で補足や付け加えを行っている。

まだ、一部番組の流れを元に私の独断で構成を再構築したり省いたりしているが、この記事の内容はすべて番組で紹介された情報に基づいているものだ。

 

私は、うつ病以外の精神疾患を大きく取り上げた「本当は怖い家庭の医学」を純粋にすごいと思った。

なぜなら、精神疾患は偏見が多く、ある意味タブー視されており、また無知によって早期発見ができず、重症化したり、家族の理解が得られず満足な治療を受けられないことが多いからである。

そのため、当事者以外の幅広い人間に、精神疾患についての正しい知識を知ってもらうことが大切だと考える。

 

2月23日放送の「本当は怖い家庭の医学」でうつ病以外の精神疾患(強迫性障害社会恐怖症、双極性障害)の正しい情報を取り上げたことは、精神疾患の啓発として大きな意義があるだろう。

再び一般の方にあまり知られていない精神疾患の特集が組まれることや、他の番組でも精神疾患が詳しく取り上げられていくことを期待したい。

 

また、このブログ記事を読んだ方が、少しでも精神疾患に対しての正しい知識を身につけ、自分の変調や周りの人の変調に気づける程の知識を持ってくだされば幸いである。

 

3000字越えのとても長い記事になりましたが、お読みいただきありがとうございました。

 

*1:重篤化すると戸締りや火の元の確認を身近な人を巻き込んで行うことも

*2:曝露反応妨害法

*3:抗不安剤抗うつ剤

*4:あくまでも最も有力とされている仮説

*5:脳内の神経伝達物質を増やしたり、長続きさせる

*6:うつ病と似ているため、診断に長い時間がかかる